自己否定とかいうと、いわゆるネガティブで悪い印象を持たれるかもしれません。
「私はダメな人間だ…もうダメだ」
とかいうのも確かに自己否定ですね(^^;)
これだと、ちょっとつらいですね。
しかし、ここで言いたいことはちょっと異なります。
ここでいう自己否定とは、自己正当化の逆の意味と理解してください。
人は誰でも自分を正当化します。
人は、注意が必要な時以外は、正しいとか間違っているとか、一つ一つ判断しながら行動はしません。
そのため、自分にとって自分の行動は、そのときどきにおいて基本的に正しいと考えるのです。
また、人は自分の想定外の状況になることに対して、ストレスを感じるように出来ています。
このような特性から、間違っていると認識しても、ダメージから逃れるために、自己正当化に走ってしまうのです。
自己正当化することで、自分をストレスから守ろうとしているんですね。
いうなれば、自己正当化は自分を守るためのバリアみたいなものです。
余談ですが、この傾向は年齢が高くなるほどに強くなります。
経験を積み重ね、自分の正当性を実感し、正当化できる理由を蓄積してきているのですから。
この自己正当化バリアが崩されてしまうと、現実逃避などの反応が起こります。
現実逃避も自分を守る第2のバリアということですね。
そして、現実逃避もできなくなってしまうと、酷い場合だと壊れます。
いわゆる精神疾患にまでなってしまいます。
さて、前置きが長くなりましたが、自己否定力とは現状の自分を正当化しない力です。
一言でいうなら【自分の弱さを受け入れること】です。
「私はダメな人間だ。」
ということで終わらずに、
「じゃあどうしようか?どうやったら良くなるかな?」
とつなげていくことですね。
自己正当化が発生した時は、弱点が露呈したときです。
ここで自己否定力を発揮し、自己正当化を防ぐようにすれば、自分を成長させるための課題が見えてきます。
自己否定力、すなわちバリアを働かないようにする技を発動することで、成長のチャンスをゲットしようということです。
その技とは
【バリアフリー】
なんか聞いたことある名前ですね(^^;)
この【バリアフリー】は、できるだけ早い段階で発動させるのが望ましいです。
なぜなら、バリアを強めれば強めるほど、それを突破しようとする力は強くなるからです。
結果として突破されてしまったとき、強くなった力を受けてしまうので、受けるダメージも強烈になってしまいます。
だから、できるだけ早い段階でということです。
そんなことはわかってる?
それができれば苦労はない?
そうですね。
実際に【バリアフリー】を使うときには、どうしてもダメージを受けてしまいがちです。
そうすると、この技を使うことを躊躇するようになってしまうので、わずかなりともダメージを残さないようにしたいですね。
実はそのための技もあるんです!
その技とは
【化勁】
です。
中国武術(特に内家拳)をやっている人ならば、間違いなく知っているでしょう。
これは簡単に言うと、力を受け流す(化かす)という感じです。
化勁は推手で学ぶことができる感覚です。
武術では力学的なことを学ぶわけですが、この概念は精神的なことにも同様なことが言えるのです。
この感覚はやってみないとわからないと思いますが、イメージ的にわかりやすいのはスノーボードのハーフパイプとかですかね。
高く舞い上がったボーダーが、もし垂直に落下したならば、衝撃をダイレクトに受けて大怪我しますよね。
だけど、ハーフパイプならば力の方向が滑らかにズレることで、力がほとんど減衰することなく滑り続けられます。
ちょっとわかりにくいですかね?
まあでも、この感覚がわかると自己正当化をする必要が、確実に少なくなっていくということです。
当然ですが、RENKOでは推手も稽古としてやっています。