シリーズ4回目は、前回の身体能力の詳細化にの続き、運動能力の詳細化です。

運動能力とは、身体能力を運用して力学的エネルギーをコントロールする能力のことです。
運動神経が良いとかセンスが良いというのは、運動能力の高さを表しています。

運動能力詳細化のポイントは、運動時にタイムライン上で発生する「認知・反応・動作」という3つの段階に対しての視点です。
どのような行動であれ、必ず「情報の認知」から始まり、その獲得情報に対しての「是非の反応」が起こり、その反応に対しての「適切な動作」をするというプロセスが存在します。
これらの各プロセスでは、異なる運動能力が求められるので、それを明らかにしていきます。

認知の段階で行われることは、情報の獲得です。
ここで扱われる運動能力は、感覚器系神経系のコントロールです。
これにより獲得できる情報には、内部情報外部情報とがあります。

内部情報とは、自分自身の体の内側で発生している情報であり、呼吸の動き、心臓の動き、腹圧の変化、姿勢の変化、重心位置の変化、力の伝達経路、力の停滞箇所などがあります。
これらは、触覚(圧力や熱感、痛みなど)や三半規管、視覚、聴覚により得ることができる情報です。

外部情報とは、体の外側で発生している情報であり、引力、路面状況、障害物、風、気温、湿度、相手の状況などがあります。
これらは、触覚、視覚、聴覚、嗅覚により得ることができる情報です。

これらの情報は、感覚器を通じて獲得され、神経系により脳に伝達され意識領域に入ります。
意識領域というのは認識された情報が入る領域で、そこには無意識で認識している情報も含みます。
(思考で捉えた認識も意識領域に入りますが、それは意識領域の極一部にすぎません。)

この意識領域に情報が入ることで、次の段階である反応が起こります。

次回は「反応段階と動作段階」の予定です。