人が行動するときには、「認知→反応→動作」という「3プロセス」をたどります。

「攻防の機の認知に始まり、それに対しての身体反応の起こりによって動作へと至る」

私が武術の指導をしていたときには、この「3プロセス」という視点を用いていました。

なぜ私は、この「3プロセス」という視点を用いていたのでしょうか?

もったいぶるつもりはないので、シンプルに記します。
それは「稽古の意義が明確になる」からです。
武術の稽古プロセスは、概して「基本稽古→形稽古→約束組手→自由組手」となります。
基本稽古では、「動作」の基本性能を高める意義があります。
形稽古では、「動作」の合理化と定着の意義があります。
約束組手は、機に応じて適切な動作ができる「反応」の獲得を求めます。
自由組手では、機を「認知」する能力の向上を求めます。

つまり、稽古に「3プロセス」という視点があることにより、「動作力・反応力・認知力」という3つの能力を鍛錬するという明確な目的意識を持つことができるのです。
目的意識が稽古の効果を高めるということは、言及するまでもないですね。

この概念は、私自身の探求結果として得られたものであり、あくまで自力で辿り着いたものです。
類似の視点で指導されている流派もあるかもしれませんが、私はそれを知りません。
これを主張することで、私の指導の優位性を示したいのではありません。

このような視点を自力で得るためには、何が必要なのかを知って欲しいのです。

それについては言及しませんので、是非考えてみてください。
その有無が、与えられるだけの人と自ら価値を創出できる人の違いを生みます。
その価値は、武術に限定されるものではなく、あらゆることに通じます。