シリーズ5回目は、「認知・反応・動作」の反応動作についての能力把握

反応というのは、認知によって引き起こされます。
情報が認知された後、それに対しての反応が起こります。
反応のプロセスには、情報に対しての主観的な可否判定(快・不快)と、それを基準にした動作プログラムの起動があります。
可否判定であれば、状況の維持や促進のための動作プログラムを起動させ、不快であれば、状況からの逃避や防御の動作プログラムを起動させます。

反応能力を把握するためのポイントは、「可否判定の正確性」と「選択する動作プログラムの正確性」と、この段階で行われる「一連のプロセスの速度」です。
可否判定の正確性」と「選択する動作プログラムの正確性」は、状況判断能力であり、これらが状況に適した動作ができるかどうかのポイントとなります。
そして、可否判定から動作プログラム起動までの所要時間が、「一連のプロセスの速度」です。これは、一般的に反射神経といわれています。


上述したように、反応プロセスの結果として動作が起こります。
動作というのは、獲得している動きのパターンプログラムの実行結果をいいます。

そもそも「認知・反応・動作」は運動能力を把握するための視点でしたが、動作という情報こそ、身体能力運動能力を把握するための主要な情報リソースとなります。

(あくまで通常の感覚を用いた場合です)

さて、動作能力を把握するポイントは、動きのパターンプログラムの習熟度合いを見るわけですが、何の習熟度合いを見るのでしょうか?

それは内力外力の活用の習熟度合いです。

内力とは、筋肉を起点とする自ら発する力の流れのことです。
外力とは、重力、遠心力と求心力、作用反作用、抵抗(摩擦や空気、水)などの、環境に由来する外部の力の流れのことです。

つまり、動きのパターンプログラムの習熟とは、これら内外の力の流れを高度に制御できていることを意味します。


ここまで「能力把握」についての視点を記してきましたが、情報が雑多で実際に行うのは困難だと思います。

次回は「能力把握」の具体的ケースを記していきます。