シリーズ2回目は、トレーニング成果をあげるためのプロセスの始まりである「現状の能力把握」についてです。
さて、「現状の能力把握」といっても、そもそもスポーツで必要な「能力」とは何なのでしょうか?
それが分からなければ把握しようがないので、まずはそこを明らかにしていきます。
そもそも、スポーツで求められる能力とは、力学的エネルギーを自在にコントロールする力です。(一部例外はあります。ex.ボディビルなど)
力学的エネルギーとは、位置エネルギーと運動エネルギーの和です。 ちなみに、位置エネルギーと運動エネルギーの和は常に一定であり、このことを力学的エネルギー保存の法則といいます。
力学的エネルギーのコントロールは目的であって、この目的を実現するために必要な体の能力こそ把握すべき要件となります。
その要件を認識するための視点として、身体能力と運動能力という概念があります。
身体能力とは、動作をつくるために必要な機能の性能をいいます。
運動能力とは、身体能力の運用性能をいいます。
その1で体と心の能力があると記しましたが、 ・身体能力 ≒ 体の能力 ・運動能力 ≒ 心の能力 といえます。
この身体能力と運動能力の関係性は、車に例えるとわかりやすいと思います。
身体能力は車で、運動能力はドライバーです。
車が走るという位置エネルギーから運動エネルギーへの転換は、走ることができる車そのものの性能(身体能力)があって、それを走らせるドライバーの運転技術(運動能力)があって成立しています。
人の能力も上述した車のそれと同じことが言えます。
車の走行性能(スポーツ能力)を高めるためには、身体能力に該当する車種の変更やパーツの交換や調整をするでしょうし、運動能力に該当する運転技術を高めるということが求められますが、人のスポーツ能力を高めるためにはトレーニングをすることが求められるわけです。
トレーニングターゲットとなる身体能力と運動能力を把握することが、「現状の能力把握」といえるわけですが、これでもまだ抽象的するので、これらを詳細化していく必要があります。
次回は、身体能力と運動能力について、もっと突っ込んでいきます。
今回も気功と関係ないですね(^^;)
本題に入るまでの前提の話が長くなりそうです。